健康維持を目標にする方も多いですが、まずは自然治癒力や免疫の働きについて知ることが第一歩です。こちらでは、人間が生まれ持つ自然治癒力と免疫について簡単にご説明いたします。

病気や怪我をしても、人間には本来、自ら健康的な体に回復させる脅威のパワーが備わっており、それは自然治癒力と呼ばれます。

たとえばノロウィルスは特効薬がなく、現代の医学をもってしても状態を抑えることでしか対策できず、結果的に自然治癒力に頼るしかないのが現状です。

もちろん、生体が本来持つ、防御・免疫・再生機構にも限界があるため、自然治癒ですべての病気や怪我を元に戻すことはできません。先天的な疾患や重度の場合はどうしても医学の力が必要となります。

しかし、人間本来の自然治癒力を維持することで、病気や怪我になっても、自らの力でかなりの部分を回復できると期待されています。

自然治癒力と免疫力は混同されやすい言葉ですが、分かりやすく説明すると自然治癒力は「治す力」で、免疫力は「守る力」になります。免疫力は、体の外から進入してくるウイルスや細菌を監視し、撃退する防御システムです。

このシステムには多くの免疫細胞が関わっており、とても複雑かつ精巧にできています。人間の体内では日々がんの細胞が作られていますが、ほとんどの場合発病には至りません。

それは体内の免疫システムが連携し、発病しないようにがん細胞を押さえ込んでいるからです。そのように大切なシステムですが、生活や食事の乱れ、ストレスなどから免疫力が低下してしまうリスクをはらんでいます。

自然治癒力は、生体の外部から侵入する菌類やウイルスなどを撃退する免疫機能が撃退できなかったときに、最後の砦として体を守ってくれます。

免疫力と同様、自然治癒力を維持することで病気になったとしても、回復に要する時間も少なくて済む可能性があります。

反対に、自然治癒力が下がると擦り傷や切り傷が治りにくくなったり、風邪が長引いたり、症状が重くなったりするケースもあります。

特に病気や怪我をしていないときでも、朝起きるのがつらくなったり、疲れが取れにくくなったり、気力が続かなくなるなどの状態がある場合は、自然治癒力が低下しているサインかもしれません。

食事や生活習慣の見直し、なるべくストレスのない生活を心がけて自然治癒力を高めるように意識しましょう。