人間は加齢とともに食生活が変化します。高齢になるにつれて食欲がなくなったり、食べる力が落ちたりするケースも少なくないですが、効率よく栄養を摂取し、健康的な生活を維持するためにも様々な工夫が必要です。

食べることは人の健康に欠かせませんが、高齢になるにつれて食欲が落ちてしまったり、咀嚼をして飲み込むという一連の動きがスムーズに働かなくなったりします。

そのため、食べることに関係する、筋力や反射の働きが衰えやすく、食べ物を飲み込むタイミングが難しく感じるようになります。

そんなときは、できるだけ多くの食材を使った献立にするなどの工夫をして、「食べたい」という意欲を引き出すことが非常に大切です。

もしも、料理をするのが大変、時間がなくて忙しいといった理由で、ご飯と味噌汁だけという簡単に済ませられるメニューになってしまう場合は、納豆・海苔・しらすなど、手軽に食べられるものを献立に加えると、栄養バランスが良くなります。

その他、いちごやバナナなどの果物もすぐに食べられるのでおすすめです。食材のバリエーションが多いと、食べたいという気持ちも湧いてきます。

どうしても栄養バランスが偏ってしまう場合は、栄養補助としてサプリを摂り入れる方法もあります。

高齢になると口や喉の機能の低下に伴って、食べ物を飲み込む力も衰えてしまいます。そうすると「誤嚥（ごえん）」が起きやすくなります。

誤嚥を防ぐには、飲み込みやすい大きさに食材をカットしたり、料理にとろみをつけて飲み込みやすくしたり、といった対策が必要です。

また、嚥下体操など口や喉の機能を維持する運動を取り入れるのもおすすめです。食事の前に首や肩をストレッチして筋肉をやわらげておくと、舌や喉の動きがなめらかになりやすく、誤嚥を防ぐことにも役立ちます。

食欲が落ちて食べる量が少ないというときには、きちんと栄養が摂れていないことが心配になります。そういった時には、栄養補助食品を活用するという方法もあります。

本来はご飯・肉・魚・野菜・果物といった食材から栄養を摂るのが理想ですが、多忙な状態が続いたり、栄養バランスが崩れてしまったりする場合は、思うように十分な量を確保できないことも少なくありません。

栄養補助食品は体に必要な栄養素をバランス良く摂れないとき、不足分を簡単に補えるようなサポート役として適しています。

あまり食欲がないというとき、栄養バランスが偏っていると感じるときだけ、栄養補助食品に頼るといった方法もあります。低栄養の状態が続くと体の機能はさらに衰えてしまうため、日頃から自身の状態をきちんと把握するようにしましょう。